魔女伝説

魔女伝説<伝説シリーズ> (角川文庫)
コケ関連の書籍でも紹介されていたので、ご存知の方も多いかな?という本書。
ヒカリゴケをテーマにした小説なのですが、表紙が好みでない。
版によって、数種あるようですが、どれも個人的には好きでないのです。
なので、買ってからもなかなか読む気になれず寝かすこと数年。
ある日、空いた時間を有効にと、ついに読み始めたのですが、これがなかなか面白い!
表紙から受けるイメージとは全く異なって、なかなかテンポよく読みやすい展開に一気読みしました。これは表紙で大損してるのでは。。。
ヒカリゴケというだけあって、お決まりのファンタジー要素もあるのですが、
コケ屋に馴染みの場所が舞台になったり、
「東京あたりではいい苔が育たんからな。
東京で育つのはゼニゴケのたぐいくらいだ」なんてセリフには、思わず『ホソバオキナやヒノキが良くて、ゼニが駄ゴケなんて、金閣寺的な扱いはけしからん!』とツッコミを入れながらも、オオスギゴケやスギゴケ、京都の地形がなぜコケの生育に適しているのか、なんて部分のセリフにはなかなか関心してしまうし、蘚苔類の解説まで丁寧にページをつかっており、なぜゼニゴケは駄ゴケなのか、なんてところにまで説明は及んでいる。
西方寺、箱根美術館、兼六園、などさながら苔の観光地案内も兼ねているような内容も含んでおり、コケモチーフの本リストの中でも丁寧なコケの扱いは上位クラスです。
本書には、米沢の法泉寺についても書かれていたのですが、
こちらは、実際に『東北地方の代表的な苔庭のひとつ』だそうです。
『ヒツジゴケ、コスギゴケ、ツリバリゴケ、シノブゴケ、クサゴケなどが生育し、特にツリバリゴケの群落が美しい』ともあります。
「苔三昧  大石義隆 著」でも確認してみたところ、しっかり掲載されていました!
両者を合わせながら読み進めても面白いですね。
一部マニアには定着していたものの、まだまだコケ愛好家の存在が世の中でも影を潜めていた頃の本なので、作者の意図など大変興味深い。
また、オカモスや蘚苔類学会を彷彿とさせる「美苔会」なんて愛好家の集いも登場してきますので、コケ屋必見!オススメ本です。

こけこけコケコッコー

こけこけコケコッコー (PHPわたしのえほん)
大変珍しいコケの絵本ついに登場です。
おもわず、紹介のカテゴリーをこちらのアート系でなく、学習用の方にもっていこうと迷ったくらいの本格的なガチなコケ本です。
とはいえ、絵本ならではのやさしく可愛らしいタッチと作者の驚くほどの豊かな発想力で子供から大人まで、コケを知らずとも、
全くコケを意識しなくても楽しめる内容となっています。
でも、コケ好きなら楽しさ倍増。
マニアなコケ屋にいたっては、1ページで十二分な時間をかけてもじっくりと細部まで楽しめるであろう工夫がふんだんに施されています。
進まぬページは、まるでコケ観察と同じです。
これは「◯◯ゴケだろうか」とサクの特徴から予想するのも楽しく、
「おっ地衣類もクマムシいる!」というコケ屋のおなじみメンバー以外にも様々な生き物や植物で彩られた各ページの遊び心が素晴らしいです。
具体的に何が素晴らしいかは、ネタばれになるので控えますが、
例えば、枯山水でオタマジャクシが釣りをしていたり、てんとう虫がカゴ持って花にカメラを向けていたり。。
など、コケでない脇役達のシャレのきいた様子も合わせてとてもツボです。とにかくかわいい!
作者の方はさぞコケについて、しっかりと学んでいらっしゃるなと感じます。
コケ屋必読とてもお勧めです!